親知らずの抜歯を検討されている患者様へメッセージ
- 親知らずのせいで毎日の歯ブラシがやりづらい…
- 親知らずの周りが腫れたり引いたりを繰り返している…
- 腫れていて痛い…
- 単純に親知らずを抜きたい
などなど、親知らずの抜歯を希望される方の理由は様々です。
十分な診察・診断と、複数のドクターによる見解をもとに患者さん一人ひとりに寄り沿った、
最小限の侵襲で親知らずの抜歯も行っています。
親知らずによる症状
親知らずと頭痛・肩こり

親知らずと口臭
先ほどお話しした通り細菌が繁殖している場合も多いので、口臭やお口の中のネバネバした感じなどの症状も十分に起こる可能性があります。
親知らずと腫れ

どのくらいの期間がかかるのか?
抜歯自体は1日で終わります。処置による侵襲にもよりますが、1週間ほどで糸取りとなり抜歯に関しては終了となります。完全に歯茎が塞がるまでは1、2ヶ月はかかる事が多いです。
抜歯の判断
抜歯をした方が良い例
申し上げてきた通り、痛みや汚れが溜まりやすい原因となっている親知らずに関しては、抜歯されることをお勧めします。
抜歯をしなくても良い場合
・骨や歯茎の中に埋まっていて、症状がない親知らず
・他の歯と同様に真っ直ぐ生えていて噛み合わせに参加している親知らず
などに関しては、抜歯をせずに経過観察を提案させていただく事もあります。
親知らずが虫歯に・・
・他の歯よりも低い位置に歯の頭がある
・骨からは出ているが、歯茎の下に頭がある
・奥なので黒くなっているのが鏡でも確認できない
汚れが溜まる機会が他の歯に比べて多い親知らずは当然虫歯にもなりやすいですし、奥にあるため患者さんも虫歯になっている事に気づきずらく、痛みが出て初めて来院される方も多いです。
親知らずの抜歯について
親知らず抜歯の特徴
1. 下顎管(神経、血管の通った管)との距離が近いことが多い
親知らずは歯の生える場所が下顎の奥のため、相対的にこの下顎管と親知らずの根っこの先との距離が近くなってしまう事が多いのです。 抜歯の際にこの下顎管に過度に刺激を与えてしまうと、唇の周りの感覚が低下してしまう恐れが出てきます。

2. 歯茎や骨の中に埋まっている事が多い
- 骨の中に親知らずが丸々埋まっていたり…
- 骨から出ているが頭は歯茎の中に埋れていたり…
- 他の歯と同じようにお口の中に生えていたり…
患者さんによって親知らずの生え方は人それぞれです。
親知らずは他の歯に比べて生える時期が遅く、顎の大きさや成長に大きく左右されるため、骨の中に埋まっている事もしばしばあります。 なので、抜歯の際にも親知らずの周りの骨を削ったり、歯茎を切って親知らずを抜きやすくする必要も出てきます。
3. 腫れてしまう事が多い
・他の歯に比べて生えてくる時期が遅い事
・お口の中の一番奥に生えてくる事
・骨に埋まったり、歯茎に埋まっていたり、頭が半分だけ歯茎から顔を出していたり、

親知らずは他の歯に比べて生える時期が遅く、顎の大きさや成長に大きく左右されるため、骨の中に埋まっている事もしばしばあります。 なので、抜歯の際にも親知らずの周りの骨を削ったり、歯茎を切って親知らずを抜きやすくする必要も出てきます。
さらに痛みのため十分なブラッシングが出来ずにまた汚れが溜まって腫れて…と言ったように、腫れて痛みが出てしまう事が多い歯でもあります。
歯茎が腫れて痛みが出ている時は、麻酔による十分な鎮痛の効果が期待できないため、まずは洗浄・消毒・投薬を行い、痛みの改善を行なってから抜歯を進めていく事になります。
親知らずの痛みについて
親知らずが生えてくる時なぜ痛みが出るのか?
1. 親知らずの周りが細菌で腫れている
先ほどお話しした通り、親知らずは他の歯に比べて歯茎に埋まっている事が多く、どうしても汚れが残りやすい部位でもあります。そう言った汚れの中には何億、何十億の細菌が潜んでいるため、炎症が起こりやすく腫れやすいのです。
そう言った親知らずは当然虫歯にもなりやすいですし、奥にあるため患者さんも虫歯になっている事に気づきずらく、痛みが出て初めて来院される方も多いです。
他の歯に比べて生えてくる時期が遅い親知らずは、20歳を超えてから生えてくる事も多く、既に生えている手前の歯を押してしまう事もあります。ジーンと痛いような症状が出ていた時は親知らずが生えてこようとしている時期かもしれません。
上の歯が下の親知らずが埋まっている歯茎を噛んでしまったりして、痛みが出てしまうと先ほどお話ししましたが、上の7番目の歯・親知らずが下の親知らずの周りの歯茎を噛んでしまう事がしばしばあります。
抜く時はしっかりと麻酔を効かせてからおこないますので痛みはありません。
ただ、抜いた後は個人差はありますが痛みは出ます。
この痛みも麻酔がきれる前に痛み止めを飲む事によっておさえる事が出来ます。
抜いた後は徐々に腫れてきますが、これも個人差ですが腫れの程度がわずかであれば特に
何もしなくてかまいません。
しかし親知らずの生え方によっては抜く時に、骨を削ったり・歯肉を切ったりする事があります。
そういった場合は、大きく腫れる事があります。
歯科医院での治療前にする応急処置
痛みが引かない、、、簡単にできる応急処置
痛みが出ている親知らずの周りを綺麗にしてあげる
細菌による炎症が痛みの一助となってしまっている事が多いため、まずは汚れを可能な範囲で除去する事が重要です。
気になって触りすぎない
指などで触ってしまうと、余計に細菌が付着してしまう場合があります。
早めの受診
状況の確認をまずはさせていただく事が何よりだと思います。 洗浄・消毒は比較的診療時間も短いですし、痛みのある患者さんは他の患者さんにもご協力いただきある程度優先して診察させていただいています。我慢せずに、まずはご連絡下さい。
親知らずと歯並び

親知らずを抜いたら小顔になる?
よく患者さんからも質問されます。
答えはケースバイケースです。
筋の位置や顎の骨格は人によって様々です。親知らずの生え方も様々です。親知らずの抜歯によって周りの筋や骨がどう治癒していくかは、予想はある程度出来ても実際に治癒するまでは分からないのが正直な所です。中には、抜歯に伴い顔の輪郭が多少変化する方もいらっしゃいます。
親知らずを抜いた後の注意事項
傷口を早く治す為には次の事を守って、できるだけ安静に早めに就寝して下さい。
- 入浴、飲酒、激しい運動は避けて下さい。(体が温まると痛みが出てきたり、出血してきたりします)
- うがいは、しないで下さい。
(抜いた所は穴が開いています。出血が固まり、かさぶたのようになって傷口を治しますが、うがいをするとこれが取れてしまいます。数時間は血がにじんでくる事がありますので唾を吐く程度にして下さい。) - 傷口を吸ったり、舌や手でさわらない様にして下さい。
- お薬はきちんと指定された時間ごとに飲んで下さい。
- 食事はできれば柔らかい物をおとり下さい。
- 抜いた直後にガーゼを噛んでもらいますが、少なくとも20分はそのまま噛み続けて下さい。
(噛んだり・噛まなかったりしてると、きちんと止血されません。20分後にまだ出血してるようであればガーゼを新しくかえて、また30分強く噛んで下さい。このガーゼによる圧迫が最も有効な止血方法となります。) - 傷口を縫ってある場合はたいてい7~10日後に糸を取ります。自分で無理やり取ろうとしたり、歯ブラシで引っ掛けたりしない様に注意してください。
- 抜いた次の日からは毎食後、うがいして下さい。
(抜いた所が穴になっているので食べかすが詰まりやすくなっています。食べかすをためない様に、こまめにうがいをする事が大事です。)
親知らずに関する一般的な知識については「親知らずに関するQ&A」をご覧下さい。
こんなケースは早めにご来院下さい
・親知らずが生えている、もしくは埋まっていて痛みがある
・親知らず周辺がときどき痛むが、数日で痛みが治まる
・痛みはないが、親知らずが斜めに生えている
・親知らずの隣の歯がむし歯になっている
・親知らずの周辺の歯ぐきが腫れている
親知らずに関するQ&A
Q. | 智歯(親知らず)とは何ですか? |
---|---|
A. | 智歯(親知らず)とは、お口の中で1番最後に(奥に)生える歯のことです。 歯には子供の時に生えている乳歯とその後、生え変わる永久歯があります。 だいたい12歳ごろには親知らず以外の28本の歯が生えそろいます。 親知らずが生え始めるのは早い人で14歳、遅い人で20歳といわれてます。この様に体が成長し親が知らない頃になってやっと生えてくるので「親知らず」と呼ばれているのです。 |
Q. | 親知らずは誰でも生えるのですか? |
---|---|
A. | 親知らずは、誰にでも生えるわけではありません。 全ての親知らずが生えれば上下左右1本ずつ、計4本になりますが人によっては3~1本しか生えない人もいます。この様な方はもともと親知らずがまったく無いのか、あるいは顎の骨の中にもぐったままでお口の中に生えてこない場合のどちらかと思われます。 |
Q. | 親知らずはどうして生えるのですか?抜くべきでしょうか? |
---|---|
A. | 親知らずも他の奥歯のように食べ物を噛み・すり潰す役目もはたします。 ただしそれは上下の親知らずがきちんと噛み合ってる時だけです。 噛む相手の歯がなかったり、横に半分生えてたりしてる親知らずは噛む役割をはたしてない所か、一番奥なのでどうしても歯ブラシがとどきにくく汚れが溜まりやすい為、虫歯になりやすかったり・はれたりする原因となるのです。こういった場合は抜いてしまった方が良いと考えられます。 |
Q. | どうしてきちんと生えないのですか? |
---|---|
A. | 原因にはいくつか考えられますが最大の原因は食生活の変化にあると考えられます。 古代人は硬い木の実や調理していない肉などが食事の中心だった為、それを食べる為に顎の骨が発達し親知らずが生えるスペースが十分にありました。ところが現代人の食事は調理された柔らかい食品が多く”噛む”という事が少なくなり、顎は次第に小さくなりました。最後に生える親知らずのスペースが不足する事になってしまい正しい位置に生える事が出来なくなるというわけです。 |
Q. | 親知らずを抜くのは安全ですか? |
---|---|
A. | 下の顎には太い神経があります。ここから枝わかれし、それぞれの歯の神経につながっています。 親知らずはこの重要な神経に大変近く、接したり・圧迫や絡み合ったりしている事があります。 抜く時にどうしても外科的刺激がこの重要神経におよぶ場合があります。 この時、どういったリスクがあるかというと舌にまでしびれや麻痺が発現する事がまれにあります。 場合によってはこの症状が残る事もあります。 当医院では事前にレントゲン写真などでの診断をへて、この可能性が低い場合でも全ての患者様に説明し、ご理解をえた上での抜歯を行っております。 |